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BLOG吉野農産の活動日誌!

畑から見える“価格”の正体

農業をやっていると、よく「今年は野菜が高いね」「去年より安いね」と言われる。でも、その値段の裏にはいつも“量”が関係してくる。たとえば、日照不足や長雨が続けば、作物の生育が遅れたり、病気が出たりして出荷量が減る。当然、量が少なくなれば値段は上がる。

逆に、天気に恵まれて豊作になると、出荷量が一気に増えて値段が下がる。収穫できること自体はありがたいけど、安くなりすぎると経費すら回収できないこともある。だから農家にとって「たくさん採れた=嬉しい」ではなく、「適正な量で適正な値段がつく」ことが何より大事だ。

農産物の値段は、単なる数字じゃない。その年の天気、作業の手間、かかったコスト、全部が詰まっている。たった一つの野菜を育てるにも、何ヶ月もかけて、毎日気にかけて世話をしてきた。その結果が“値段”という形で出る。

消費者にとっては高く感じる日もあると思う。でも、その一つひとつに理由がある。どうか、スーパーに並ぶ野菜を手に取るとき、「これはどう育ったんだろう」と少しだけ想像してもらえたらうれしい。生産者としては、それだけでも報われる。

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